企業の開発と大学の研究を経験して-研究者をストックからフローへ-
日本機械学会誌,Vol.121,No.1196,名誉員から一言(2018) ■はじめに 私はいわゆる団塊の世代であるが、企業で約28年間、さらに大学で約14年間と、企業と大学の両方で研究開発に携わってきた。ここでは、この間を振り返って、「学んだこと」、「考えたこと」をま...
アナログからデジタルへ-進化するデジタルはアナログ世界にどう向き合うのか-
日本機械学会誌,Vol.114,No.1112,巻頭言(2011): 小特集号「アナログからデジタルへ-進化するデジタルはアナログ世界にどう向き合うのか-」の発刊に際して ■今日、デジタル・デバイドという言葉の概念すら過去のものと思われるほど、私たちの生活にはすでに様々なデ...
新しい産業・社会システムを創出するセンシング技術
エバラ時報,No.230, 巻頭言(2011) ■はじめに テレビ討論などを聞いていると、最近は暗澹とした気分になることが多い。日本経済は、円高の進展や新興国の台頭による海外競争力の低下、少子高齢化や生産拠点の海外移転による国内生産力の空洞化などによって、バブル崩壊以降、本...
「安全・安心」小特集に寄せて Expectations for the Special Issue "Aiming at Realization of the Safe Society&qu
エレクトロニクス実装学会誌, Vol.10, No.6(2007), 特集/安全・安心 ■家庭菜園の価値 今年の夏は玉ネギ、ジャガイモのできが非常に良かった。自宅の近くにわずかな休耕地を借りて、子供の遊び場と兼用の家庭菜園をはじめてから20年余りになるが、徐々に拡張を重...
提言 -これまでの研究生活を振り返って-
(社)日本機械学会,情報・知能・精密機器部門ニュースレター,No.31 ■効率がすべてではない・・・大学へ赴任して感じたこと 早いもので、東京大学に赴任してこの7月でちょうど4年が経過した。大学はもう少しゆったりと研究や教育ができるところと考えていた。長い夏休みや春休みがあ...
さりげなく存在を伝えるつながり感通信
大リーグでのイチロー選手の活躍は個人的にも嬉しいニュースだが、これを除けば最近は暗いニュースばかりがやたらと多い。米国を襲った悲惨なテロによって世界中が震撼し、その後のアフガニスタン情勢や炭疽菌事件の広がりに、世界中が固唾(かたず)を呑んでいる。日本でも、回復する気配のない...
ライフスタイルを変える指紋認証技術
地球温暖化の所為(せい)と言われているが、異常気象にも慣れてしまった。今年の夏も、前半は記録的な猛暑で、後半には超スローな台風が上陸するなど、予想に違わぬ異常気象だったので、平均的な夏がどんなものか見当がつかなくなってきた。変わらないのは、夏休みシーズンになると電車やバスが...
あの手この手のクリーンエネルギー
初めての地へ旅行するのは仕事であっても何かしら楽しいものである。普段、街中で暮らしているためか、北海道へ来るといつも新鮮な気持ちになるが、此処、北海道西部の日本海に面した留萌(るもい)から稚内に至る海岸地帯は、これまでに一度も訪れたことのない地域であったので、旭川からバスで...
ピンポイント花粉予報
受験シーズンに受験生の心情をはばかることもなく、「落ちる」「落ちる」と大騒ぎになったロシアの宇宙船ミールも予想どおりに南太平洋に落下した。もっとも、ロシア宇宙管制センターが予想した落下予想地点は南緯44度、西経150度であったが、米国のレーダ追跡によると、落下中心点は南緯4...
一石二鳥のIT農業
今年の冬はダイコンと白菜のできが悪かった。といっても、これは家庭菜園での話である。自宅の近くにわずかばかりの休耕地を借りて家庭菜園をはじめてから10年余りになる。今では広さも200m2ほどになった。最初は惨憺たる結果だったが、週一農業でも10年もやっていると、1、2週間しか...