July 13, 2018

日本機械学会誌,Vol.121,No.1196,名誉員から一言(2018)

■はじめに
 私はいわゆる団塊の世代であるが、企業で約28年間、さらに大学で約14年間と、企業と大学の両方で研究開発に携わってきた。ここでは、この間を振り返って、「学んだこと」、「考えたこと」をまとめてみた。企業や大学をとりまく状況は異なるが、多少とも、若い技術者・研究者の皆さんの参考になれば幸いである。

■「企業における開発」と「大学における研究」
修士課程を修了して企業の研究所に入社した。当時の研究所としては珍しいが、研究だけでなく、その成果を実用化して、世の中に具体的に貢献する...

July 5, 2011

日本機械学会誌,Vol.114,No.1112,巻頭言(2011): 小特集号「アナログからデジタルへ-進化するデジタルはアナログ世界にどう向き合うのか-」の発刊に際して

■今日、デジタル・デバイドという言葉の概念すら過去のものと思われるほど、私たちの生活にはすでに様々なデジタル技術が浸透している。テレビや携帯電話、カメラや時計など身近な機器においてのみならず、高精度な計測機器、音響・映像機器、情報通信機器から、最先端の医学や天文学におけるデータ処理や情報解析、果てはアートの分野に至るまで、ハード・ソフトの両面において、デジタル技術への転換が進んでいる。こ...

January 20, 2011

エバラ時報,No.230, 巻頭言(2011)

■はじめに

テレビ討論などを聞いていると、最近は暗澹とした気分になることが多い。日本経済は、円高の進展や新興国の台頭による海外競争力の低下、少子高齢化や生産拠点の海外移転による国内生産力の空洞化などによって、バブル崩壊以降、本格的な景気回復を果たせずいる。もどかしい限りである。日本経済の再生に必要なのは、一時しのぎの景気対策ではなく、将来を見すえた抜本対策であるという意見は、経済専門家ならずとも、きわめて当然に思われる。

いろいろな抜本対策の中でも、21世紀の人類危急の課題である環境・エネルギー、食糧・水、医療・...

September 1, 2007

エレクトロニクス実装学会誌, Vol.10, No.6(2007), 特集/安全・安心

■家庭菜園の価値
 今年の夏は玉ネギ、ジャガイモのできが非常に良かった。自宅の近くにわずかな休耕地を借りて、子供の遊び場と兼用の家庭菜園をはじめてから20年余りになるが、徐々に拡張を重ねて、今では広さも100坪ほどになった。ジャガイモを収穫した後も、トマト、茄子、ピーマン、サヤインゲン、里芋、とうもろこし、キュウリ、ニガウリ、スイカなどの夏野菜が元気に育っている。最初は惨憺たる結果だったが、趣味の農業でも20年もやっていると、その地域に適した播種期なども自然に覚えて、ジ...

August 31, 2006

(社)日本機械学会,情報・知能・精密機器部門ニュースレター,No.31

■効率がすべてではない・・・大学へ赴任して感じたこと

 早いもので、東京大学に赴任してこの7月でちょうど4年が経過した。大学はもう少しゆったりと研究や教育ができるところと考えていた。長い夏休みや春休みがあって、もう少しゆっくりと考える時間があると信じて疑わなかった。しかしながら、私の勘違いだったのか、大学の運営や競争的資金の獲得などなど、研究と教育のための時間がない。従来から、教授になったら研究と教育の時間はないと冗談半分に云われていたらしいが、国立大学法人となったことで、企業と同様の効...

December 1, 2001

 大リーグでのイチロー選手の活躍は個人的にも嬉しいニュースだが、これを除けば最近は暗いニュースばかりがやたらと多い。米国を襲った悲惨なテロによって世界中が震撼し、その後のアフガニスタン情勢や炭疽菌事件の広がりに、世界中が固唾(かたず)を呑んでいる。日本でも、回復する気配のない経済不況に加えて、狂牛病騒ぎである。TVをBGM代わりにしているながらTVの常習犯ではあるが、最近のTVニュースには少々嫌気が差し、チャンネルを変えたくなることも度々である。

 気晴らしに外に出ると、こんな時でも自然が気分を和らげてくれる。今年の秋は気候にも恵まれて、こぼれ種から2mを...

October 1, 2001

 地球温暖化の所為(せい)と言われているが、異常気象にも慣れてしまった。今年の夏も、前半は記録的な猛暑で、後半には超スローな台風が上陸するなど、予想に違わぬ異常気象だったので、平均的な夏がどんなものか見当がつかなくなってきた。変わらないのは、夏休みシーズンになると電車やバスが空いて快適な通勤ができることと、もう一つは、TV番組に往年の名作映画などの再放送がやたらと増えることである。手抜きだと思いながらも、これに影響される羽目になる。

 名作かどうかははなはだ疑問だが、トムクルーズ主演の「ミッション・インポッシブル」を見た。かっての人気TV番組「スパイ大作戦...

August 1, 2001

 初めての地へ旅行するのは仕事であっても何かしら楽しいものである。普段、街中で暮らしているためか、北海道へ来るといつも新鮮な気持ちになるが、此処、北海道西部の日本海に面した留萌(るもい)から稚内に至る海岸地帯は、これまでに一度も訪れたことのない地域であったので、旭川からバスで二時間半の道のりも大して苦にならなかった。

 この海岸沿いにある小さな町、苫前(とままえ)で、日本最大級のウインドファーム(集合型風力発電所)を見学する機会に恵まれた。ヨーロッパや米国のウインドファームに比べれば小さなものだが、それでもロータの直径が50mを超える1,000kWや1,5...

June 1, 2001

 受験シーズンに受験生の心情をはばかることもなく、「落ちる」「落ちる」と大騒ぎになったロシアの宇宙船ミールも予想どおりに南太平洋に落下した。もっとも、ロシア宇宙管制センターが予想した落下予想地点は南緯44度、西経150度であったが、米国のレーダ追跡によると、落下中心点は南緯40度、西経160度と報告されているから、1,000 km以上の誤差があったことになる。宇宙的なスケールでは誤差の内かもしれないが、南太平洋の国々にすれば失礼な話で、いやそれどころか、かなり危険な話で、シベリアに落下させればいいとの意見ももっともだと思えてくる。

 単純な運動方程式で記述...

April 1, 2001

 今年の冬はダイコンと白菜のできが悪かった。といっても、これは家庭菜園での話である。自宅の近くにわずかばかりの休耕地を借りて家庭菜園をはじめてから10年余りになる。今では広さも200m2ほどになった。最初は惨憺たる結果だったが、週一農業でも10年もやっていると、1、2週間しかないと言われるその地域に適した種の播き時なども自然に覚えて、ここ数年はダイコンや白菜はそこそこ自給できるまでになっていた。ところが、昨年秋の異常気象には10年余りの試行錯誤から得た知識やノウハウも通用せず、密かな自信を少なからず打ち砕いてくれた。自然は甘くないのである。

 家庭菜園なら...

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特集記事

アナログからデジタルへ-進化するデジタルはアナログ世界にどう向き合うのか-

July 5, 2011

日本機械学会誌,Vol.114,No.1112,巻頭言(2011): 小特集号「アナログからデジタルへ-進化するデジタルはアナログ世界にどう向き合うのか-」の発刊に際して

■今日、デジタル・デバイドという言葉の概念すら過去のものと思われるほど、私たちの生活にはすでに様々なデジタル技術が浸透している。テ...

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