提言 -これまでの研究生活を振り返って-
(社)日本機械学会,情報・知能・精密機器部門ニュースレター,No.31 ■効率がすべてではない・・・大学へ赴任して感じたこと 早いもので、東京大学に赴任してこの7月でちょうど4年が経過した。大学はもう少しゆったりと研究や教育ができるところと考えていた。長い夏休みや春休みがあって、もう少しゆっくりと考える時間があると信じて疑わなかった。しかしながら、私の勘違いだったのか、大学の運営や競争的資金の獲得などなど、研究と教育のための時間がない。従来から、教授になったら研究と教育の時間はないと冗談半分に云われていたらしいが、国立大学法人となったことで、企業と同様の効率的な運営を求められて、さらに拍車がかかったように感じられる。研究と教育を一緒にして、何でもかんでも、効率を求めるのは間違いではないかと思う。 大学に異動した当初は、学科の教授会などでの意思決定のあり方に少なからず不満を感じていた。会議が長く、同じことが何回も議論されるのである。悪く云うと、体力勝負のようなところがあって、基本的には異論がなくなるまで続くのである。こんな効率の悪い会議など何とかす